最近はパソコンだけでなく、スマートフォンやゲーム機器、あるいは家電までもがインターネットに接続する時代になりました。インターネットの利用方法も、高解像度の動画の閲覧やリアルタイムな反応が必要なネットワークゲームのプレイなど、高速で大容量のネットワーク環境が求められる使い方になってきています。
こうした高速、多接続に適したWi-Fiの選択ができているでしょうか。
Wi-Fi 6とは
「Wi-Fi 6」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは第6世代のWi-Fi規格のことです。「Wi-Fi 6」に対応したWi-Fiルーターを導入することで、「高速」「混雑に強い」「省エネ」なネットワーク環境を得ることができます。
私はコロナ禍の頃は自宅作業が多かったのですが、家族皆が家に居ることでWi-Fiルーターへの接続機器が増え、ネットワークが不安定になり、Zoomを使ったオンライン会議が時々途切れるようになりました。そこでWi-Fi 6対応ルーターを導入することで、快適なネットワーク環境を手に入れることができました。
なお、「Wi-Fi 6」とは通称であり、この規格はIEEE(アイ・トリプル・イー、米国電気電子学会)という学会で定められた第6世代の規格のことを指しています。
世代 | 名称 | 規格名 | 最大通信速度 | 利用周波数 |
---|---|---|---|---|
第6世代 | Wi-Fi 6 Wi-Fi 6E | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz帯 /5GHz帯 /6GHz帯(6E) |
第5世代 | Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
第4世代 | Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz帯 /5GHz帯 |
第3世代 | – | IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 |
第2世代 | – | IEEE 802.11a IEEE 802.11b | 54Mbps 11Mbps | 5GHz帯 2.4GHz帯 |
第1世代 | – | IEEE 802.11 | 2Mbps | 2.4GHz帯 |
Wi-Fi 6導入のメリット
Wi-Fi 6は高速である
上で記載した表のとおり、Wi-Fi 6の通信速度は高速です。例えば1世代前のWi-Fi 5 と比べても1.4倍高速です。これによってスマホやパソコンでのデータ送受信にかかる時間を大幅に短くできるでしょう。
Wi-Fi 6は混雑に強い
Wi-Fi 6ではOFDMA(直交周波数分割多元接続)という技術が使われています。これにより多数の機器が同時にWi-Fiにつながっている状態でも、周波数帯域を効率的に共有でき待ち状態が発生しにくくなります。ゲームなどリアルタイムな反応が求められるシーンにおいても、効果を感じることができるでしょう。
Wi-Fi 6は省エネ
Wi-Fi 6では、接続する機器のバッテリー消費を低減するTWT(Target Wake Time)という技術が使われています。Wi-Fiとの信号受信が必要ないタイミングでは、接続機器側の通信機能をスリープさせて、消費電力を抑えることができます。
Wi-Fi 6対応ルーターを導入しよう
古い世代の機器でも問題なくWi-Fiを使える
「Wi-Fi 6」に対応したWi-Fiルーターを導入したら、そこに接続するパソコンやスマートフォンもすべて最新機器に揃えないといけない、と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
Wi-Fiルーターは下位互換が確保されており、古い世代のWi-Fi規格にも対応するようにできていますので、今使っているスマートフォンやパソコン、家電もこれまでと同じようにWi-Fiを使えます。「Wi-Fi 6」としての通信を利用するには、「Wi-Fi 6」対応機器同士である必要がありますが、「Wi-Fi 5」や「Wi-Fi 4」など、従来の規格にも対応しているので、その規格の仕様を用いた通信が可能です。
実際、我が家の機器も決してすべてが新しいものではありません(むしろ古いスマホやパソコンが多いです)。ですがお互いが電波を取り合うような状況ではなくなり、通信が安定して「また切れてしまうかもしれない」という心配がなくなりました。
スマートフォンもパソコンも「Wi-Fi 6」に対応した機器がどんどん広がっていますので、自宅ネットワーク全体として、快適性が向上した環境を手に入れることができるはずです。
Wi-Fi 6に対応した機器の確認方法
所有の機器が「Wi-Fi 6」に対応しているかを確認したい場合は、以下を参考にしてください。
- スマートフォンやゲーム機の場合:各社のページや説明書類などで製品仕様をご確認ください。
- Windowsパソコンの場合:以下の手順で確認ができます。
- Windows標準ツールである「コマンドプロンプト」を起動
- コマンドプロンプトで右のコマンドを入力する: netsh wlan show drivers
- 表示されたコマンド実行結果の中の「サポートされる無線の種類」を確認してください。
そこに「802.11ax」が含まれていれば、Wi-Fi 6に対応しています。

Wi-Fi 6対応ルーターの候補
現在売れ筋のWi-Fi6ルータとしては以下のようなものがあります。メーカーとしてはNECとバッファローが2強ですね。
NEC Aterm WX11000T12
Wi-Fi 6Eに準拠しており、2.4GHz帯、5GHz帯に加え、6GHz帯を含む3つの帯域を同時に利用することができる高速ルーターです。接続台数は32台を想定されており、大家族、広いお家でも十分な機能を備えていますね。家の隅々まで電波を飛ばしたいときは、メッシュ機能と中継器を用いることで電波の利用範囲を拡張することもできます。
BUFFALO AirStation WSR-6000AX8P-MB
こちらはWi-Fi 6に準拠しており、2.4GHz帯、5GHz帯の帯域を利用できます。接続台数は32台を想定しているので、多数の機器も利用できますね。「Wi-Fi EasyMesh」に対応しているので、簡単にメッシュネットワークを実現することができます。
次はWi-Fi 7がやってくる
最近ではさらに、Wi-Fi 7という規格が登場し、それに対応したWi-Fi 7ルーターも見かけるようになりました。まだ新しい規格ということですので、当面様子見したいと思いますが、今後の展開が楽しみです。
世代 | 名称 | 規格名 | 最大通信速度 | 利用周波数 |
---|---|---|---|---|
第7世代 (2024年) | Wi-Fi 7 | IEEE 802.11be | 36Gbps | 2.4GHz帯 /5GHz帯 /6Ghz帯 |
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