プレイヤーとして優秀だったあなたが、ある日突然チームを率いる立場になる。すると、かつての技術的な成果だけでは通用しない、新たな「壁」にぶつかることになります。
- メンバーにどう接すればよいかわからない
- フィードバックが感情的になってしまう
- チームの成果をどう測るべきか悩む
そんな悩みに対して、明快な指針を与えてくれるのが、安藤広大氏による著書『リーダーの仮面』です。本記事では、この書籍をSE管理職の目線から解説し、なぜ今のIT業界におけるリーダーにとって有益なのかをご紹介します。
『リーダーの仮面』とは
著者の安藤広大氏は、組織変革を専門とする識学(しきがく)の創業者として知られています。本書『リーダーの仮面』では“感情ではなく論理と構造で組織を動かす”という信念のもと、リーダーに求められる行動原則を明示しています。
本書が伝える5つの原則
- ルールの徹底
- 位置(ポジション)を取る
- 利益の最大化を考える
- 結果で評価する
- 成長を促すために突き放す
これらの原則は、感情に左右されがちな職場であっても、リーダーとしてブレずに判断し続けるための軸となります。
SE管理職にとってなぜ必要か?
技術から人のマネジメントへ
エンジニア出身のマネージャーに多い悩みが、「プレイヤーとしての成功体験がマネジメントに活かせない」という点です。個々のコードレビューや技術指導に追われ、「チームとしての成長」や「人材育成」といった中長期的な視点を持てずに苦しむ方も多いのではないでしょうか。
『リーダーの仮面』は、そうした“現場上がりのマネージャー”の罠に対して、「あなたはもうプレイヤーではない」という強烈なメッセージを投げかけます。
SEリーダーに効く3つの教え
感情を切り離し、仕組みで回す
SEの職場ではトラブルや仕様変更、顧客対応など「感情的になりやすい」場面が多く発生します。
本書はそんな状況において、「個人の優しさではなく、ルールや評価制度といった仕組みによって、組織を動かすことの重要性」を説きます。
たとえば「遅刻は許さない」というルールがあるなら、情に流されずに一貫して対処することが、結果的にメンバーの信頼を得ると説いています。
「嫌われ役」を演じることの意味
『リーダーの仮面』というタイトルは、「リーダーは感情を抑え、役割を演じろ」という象徴的なメッセージです。
SEの現場では、かつての同僚や後輩とフラットな関係を保とうとするあまり、厳しい指導や評価を避けてしまいがちです。しかしそれでは組織が成長しません。
この本は、「部下に好かれようとするのではなく、成長を促すためにあえて距離を取る」という姿勢を後押しします。
「任せる技術」がチームを伸ばす
エンジニアは「自分でやったほうが早い」と考えがちです。しかし、リーダーは自らが動くよりも、「任せる力」「育てる力」を持たなければなりません。
『リーダーの仮面』では、「あなたが動くことで、メンバーの成長機会を奪ってはいないか?」と問いかけます。これは特に、プロジェクトの火消し役になりがちなSEマネージャーに刺さる視点です。
読後に得られる“変化”
本書を読むことで、SEの管理職が以下のような行動変容を起こすきっかけになります。
Before(読前) | After(読後) |
---|---|
感情的に注意してしまう | ルールと評価軸で冷静に判断する |
仲良しマネジメントに悩む | 距離を取ることで信頼と成長を得る |
全部自分で抱え込む | 任せて育てるマネジメントに転換する |
部下の気持ちに引っ張られる | 組織全体の成果を優先する判断ができるように |
まとめ|仮面をかぶる覚悟が、チームの未来を変える
『リーダーの仮面』は、SE管理職の葛藤を明快に言語化し、「感情に流されず、役割を全うするリーダー」の姿勢を教えてくれる一冊です。
「技術がわかるだけでは、良いリーダーにはなれない」。
そう気づいた瞬間から、真のマネジメントの旅が始まります。プレイヤーからマネージャーへ。技術者から組織を導く存在へ。仮面をかぶることで、あなたはより強いリーダーに進化できるのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。当ブログは日常のICTの困りごとを解決するためのノウハウを発信しているサイトです。トップページもご覧ください。