日常的に使用されるMicrosoft Office製品。文書作成や表計算、プレゼンテーションなど、ビジネスから家庭まで幅広い用途で活躍しています。
どんなソフトウェアにも「サポート期間」が存在し、一定の期間を過ぎるとセキュリティ更新や技術サポートが終了します。これを「ライフサイクル」と呼びます。
Microsoft Officeのライフサイクルポリシー
Microsoftは、各Office製品に対して「メインストリームサポート」と「延長サポート」の2つのサポートフェーズを設けています。
両方をあわせれば、Office製品は発売から約10年間のサポートを受けることができます。
メインストリームサポート
- 期間:製品発売から約5年間
- 内容:新機能の追加、バグ修正、セキュリティ更新、無料サポートなど
延長サポート
- 期間:メインストリームサポート終了後の約5年間
- 内容:セキュリティ更新のみ提供(新機能の追加やバグ修正は行われない)
現在のOffice製品サポート状況と今後の予定
以下は、主要なOffice製品のサポート終了日とその影響です。
製品と バージョン | サポート開始日 | サポート終了日 | 延長サポート 終了日 |
---|---|---|---|
Microsoft 365 | なし (常に最新に更新) | ||
Office 2024 | 2024年10月1日 | 2029年10月9日 | |
Office 2021 | 2021年10月5日 | 2026年10月13日 | ※ESU提供 |
Office 2019 | 2018年9月24日 | 2023年10月10日 | 2025年10月14日 |
Office 2016 | 2015年9月22日 | 2020年10月13日 | 2025年10月14日 |
サポート終了後のリスクと影響
サポートが終了したOffice製品を使用し続けると、以下のようなリスクがあります。これらのリスクを避けるためにも、サポート終了前に適切な対応が必要です。
- セキュリティリスク:新たな脆弱性が発見されても修正されないため、ウイルスやマルウェアの感染リスクが高まります。
- 互換性の問題:最新のオペレーティングシステムや他のソフトウェアとの互換性が低下し、正常に動作しない可能性があります。
- コンプライアンス違反:業界の規制や法令により、サポートが終了したソフトウェアの使用が禁止される場合があります。
移行方法とおすすめの選択肢
サポート終了に備えて、以下の移行方法があります。
Microsoft 365への移行
- 特徴:サブスクリプション型サービスで、常に最新の機能やセキュリティ更新が提供されます。
- メリット:PC以外にタブレットやスマホなど複数のデバイスで利用可能、クラウドストレージ(OneDrive)との連携、チームでの共同作業が容易など。ライフサイクルによらず、常に最新の状態が提供される。
- 料金:月額または年額の費用が発生します。
これらの有料プランを選択すると、より多くのデータを保存することができ、さらにオンラインオフィスアプリを活用することが可能です。
Office 2024への移行
- 特徴:一度の購入で永続的に使用可能なライセンスです。
- メリット:買い切り型なので、それ以後は追加費用が不要、インターネット接続なしでも使用可能。
- 注意点:PC(Windows10/Widows11/Mac)での利用に限られる。またライフサイクルによるサポート終了期限があります。
他のオフィスソフトへの移行
- 例:Google Workspaceなど
- メリット:無料で使用できるものもあり、コスト削減が可能。
- デメリット:Microsoft Officeとの互換性に問題がある場合があり、慣れるまでの学習コストがかかることがあります。
まとめ
Microsoft Officeのライフサイクルポリシーを理解し、サポート終了前に適切な移行を行うことは、セキュリティや業務効率を維持するために非常に重要です。特に、Office 2016やOffice 2019を使用している方は、早めの対応を検討しましょう。
移行方法としては、Microsoft 365へのサブスクリプション型サービスへの移行が最も柔軟で将来的なリスクを低減できます。しかし、コストや使用環境に応じて、Office 2024や他のオフィスソフトへの移行も選択肢として考えられます。
自分の使用状況やニーズに最適な選択肢を検討し、計画的に移行を進めていきましょう。
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