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SEにも『ブルー・オーシャン戦略』を|製品開発にもキャリアにも効く差別化思考

blue-ocean システムエンジニア話題

IT技術の進化とともに、システムエンジニア(SE)の役割も多様化し、単なる「作業者」から「価値創造者」への変化が求められています。

そんな中、『ブルー・オーシャン戦略』はSEが備えるべき思考法のひとつと考えられます。この戦略は、ビジネス界だけでなく、技術者の製品開発やキャリア形成にとっても極めて有効なアプローチを提供します。

『ブルー・オーシャン戦略』とは?

フランスのINSEAD(欧州経営大学院)の教授、W・チャン・キムとレネ・モボルニュによって提唱された理論で、2005年の書籍『ブルー・オーシャン戦略(Blue Ocean Strategy)』で世界的に広まりました。

レッド・オーシャン vs ブルー・オーシャン

競争に勝つのではなく、「競争そのものを無意味にする」――それがブルー・オーシャン戦略の神髄です。

タイプ特徴
レッド・オーシャン既存市場での血みどろの競争(価格競争・機能競争)
ブルー・オーシャン競争のない未開拓市場を創出する(差別化と非価格価値の創造)

製品企画・開発におけるブルー・オーシャンの考え方

競合機能の真似ではなく、「ニーズの再定義」

多くのプロダクト開発は、「他社がやっている機能に+αする」という競争型アプローチ=レッド・オーシャンです。ブルー・オーシャン戦略では、「何を削ぎ落とせるか」「何を新しく加えるか」という視点で再設計します。

たとえば以下のような考え方の例があります。

  • 他社が複雑な機能を盛り込む → あえてシンプルさを追求し、初心者層をターゲットに
  • 他社がエンタープライズ特化 → あえて個人事業主や中小企業向けに特化する

価値曲線(バリューカーブ)を描いて差別化を見える化

「どこで戦うか」「何を削るか」「何を強化するか」を図にするのが「戦略キャンバス」というツールです。機能や価格ではなく、「ユーザーにとっての価値」で勝負する設計が可能になります。

キャリア形成でも役立つブルー・オーシャン戦略

SEとしてキャリアを築くうえでも、「ブルー・オーシャン的発想」は有効です。

他者と同じことをしても埋もれる

資格・経験・スキル――これらを“人並み”に揃えることは大切ですが、それだけでは埋もれます。そこで問われるのが、「あなたにしかできない価値提供は何か?」です。

自分の“差別化ポイント”を探す4つの質問(ERRCグリッド)

『ブルー・オーシャン戦略』では次の4つの問いが紹介されています。キャリアと重ねると、このような感じでしょうか。

  • Eliminate(取り除く):他のSEと同じでなくてもよい要素は?
  • Reduce(減らす):時間・労力を減らすべき活動は?
  • Raise(増やす):自分が特に強化したいスキル・価値は?
  • Create(創る):新たに組み合わせられる専門性は?

たとえば以下のような考え方の例があります。

  • Javaの実装経験+外国語スキル → グローバル案件のブリッジSE
  • ネットワーク構築+セキュリティ教育 → 情報セキュリティの講師

競争しない=評価されないのではない

「人と違うことをやると評価されにくいのでは?」と不安になるかもしれませんが、むしろ差別化できる専門性やポジションを確立すれば、希少価値として評価されやすくなります。

まとめ

『ブルー・オーシャン戦略』が教えてくれるのは、「他人と同じ土俵で戦わなくてよい」というメッセージです。

製品でもキャリアでも、自分らしい戦い方を設計することが、これからのSEの武器になります。

あなたが今いるフィールドで、「本当に競争が必要か?」と一度立ち止まってみるだけで、キャリアにもプロジェクトにも新しい選択肢が生まれるかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。当ブログは日常のICTの困りごとを解決するためのノウハウを発信しているサイトです。トップページもご覧ください。

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