2025年5月、Microsoftは新規Microsoftアカウントに対して、パスワードレス設定をデフォルトとする方針を発表しました。これにより、従来のパスワードを使用せず、より安全で便利な認証方法への移行が進むことが期待されます。
パスワードレス認証とは?
パスワードレス認証は、従来のパスワードを使用せず、代わりに生体認証(顔認証や指紋認証)、PINコード、セキュリティキーなどを用いてユーザーの本人確認を行う方法です。Microsoftは、これらの認証方法を組み合わせた「パスキー(Passkeys)」を推奨しています。
パスキーは、WebAuthnを技術基盤とし、デバイス上での生体認証やPINコードによる認証を可能にします。これにより、フィッシング攻撃などのリスクを低減し、より安全な認証環境が提供されます。
パスワードレス化の進展と効果
Microsoftは、パスワードレス認証の導入により、以下のような効果を期待しています。
- セキュリティの向上:パスワードを使用しないことで、パスワード漏洩やフィッシング攻撃のリスクを低減。
- 利便性の向上:生体認証やPINコードによる迅速な認証が可能となり、ユーザー体験が向上。
- 運用の効率化:パスワード管理の手間が削減され、企業のIT管理が効率化。
パスキーでのサインインは、ユーザーがパスワードを利用してアカウントにサインインするよりも3倍成功率が高く、さらにパスキーサインインは従来のパスワードよりも8倍速くサインインが可能になるそうです。
既存ユーザーへの影響と対応方法
新規アカウントに対するパスワードレス設定がデフォルトとなる一方で、既存のMicrosoftアカウントユーザーは、引き続きパスワードを使用できます。しかし、Microsoftは既存ユーザーにもパスワードレス認証への移行を推奨しています。
既存ユーザーがパスワードレス認証を有効にするには、以下の手順にて実現できます。
- Microsoftアカウントにサインイン。
- セキュリティ設定の確認:アカウントのセキュリティ設定ページに移動し、「パスワードレス アカウント」の設定オプションを選択。
- 認証方法の選択:生体認証(顔認証や指紋認証)、PINコード、セキュリティキーなど、希望する認証方法を選択し、設定を完了。
業界の動向
Microsoftは、他のテクノロジー企業とも連携し、パスワードレス認証の普及を進めています。これにより、異なるプラットフォーム間でのシームレスな認証が可能となり、ユーザーの利便性が向上します。
また、FIDO Allianceなどの業界団体も、パスワードレス認証の標準化と普及に向けた取り組みを強化しています。これらの動きは、今後のデジタルセキュリティの進化に大きな影響を与えると考えられます。
まとめ
Microsoftのパスワードレス設定のデフォルト化は、デジタルセキュリティの新たなスタンダードを築く一歩となります。ユーザーは、これを機に自分のアカウントのセキュリティ設定を見直し、パスワードレス認証への移行を検討することをおすすめします。
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